「ツケ」はガードの甘い消費者へ!

近年、イギリスでは心臓疾患の減少が観察されています。この好ましい現象については、アメリカに追いつこうとしているかのようです。喫煙という悪習慣の減少が貢献していると思われますが、まだ楽観はできません。若年層での喫煙が多くの国でふたたび増加に転じているからです。心臓のみならず、肺疾患やその他の喫煙に関連した各種の疾患もふたたび増加するのかも知れません。栄養的改善策を講じなければ、喫煙を原因とする疾患の発症率は悪化すると思われます。その悪化の要因は主として必須脂肪酸が不足する食生活にあります。ビタミン・ミネラル等の抗酸化物質の不足も関係するでしょう。環境悪化の問題に加えて、食生活の貧しさを考慮すると、筆者にはあまり明るい将来像は描くことはできないのです。消費者の健康に配慮した食品の需要が増加するのに対して、供給側の対応はどうなのでしょう。筆者としては、決して楽観はしていません。

ミルクと乳製品から始まって、クッキーやビスケットまで、健康的と称する(その多くは正当化が難しいものですが)低脂肪食品として売られている製品は膨大な数にのぼります。これらの、いわゆる低脂肪製品から「除かれた」脂肪はどうなってしまうのでしょうか。決して捨てられるのではありません。その他の食品、特に加工食品に使われているのです。結局のところ「ツケ」は消費者に回されるのです。隠された脂肪と隠されたカロリーとして、ガードの甘い不注意な消費者に回されるというわけです。「ツケ」を回されたガードの甘い消費者は、隠された脂肪とカロリーによって、おそらく体重が増え、一見して健康そうに見えるかも知れません。しかし、同時に栄養的観点から見れば、まさに栄養不良になるのです。

このような隠れた脂肪に加えて、加工食品は一般には、小麦粉にせよ、米、砂糖などすべて精白した炭水化物原料から製造されます。未精製の原料と比較すれば、精製済みの原料は、栄養的に見れば不足になりがちです。中でもビタミンBが不足しますが、これは代謝、なかんずく炭水化物の代謝にとってはとても重要なものなのです。さらに悪いことに、過度に手を加える工程を必要とする加工食品は、どうしてもクロームが不足になりがちです。炭水化物の摂取が多くなればなるほど身体にはクロームが必要になるので、まことに皮肉と言わざるを得ません。

臨床的に言えば、クローム不足は低血糖症に関係します。糖分に対する強烈な欲求が発生します。その結果として、体重増加、感染症に対する抵抗力の低下となります。深刻なのは、血糖レベルが上がると、インスリンの分泌が増加し、前糖尿病症候群と見なされるわけで、肥満者にほとんど例外なく見られる高インスリンです。これは肥満を基本的な原因とする心臓疾患の増加に大きく貢献していると言っても過言ではありません。

以上に述べてきた色々な要因を総合すると、まるで「不健康になることを目的として特別に用意されたメニュー」とさえ言えるのではないでしょうか。短期的に見れば、激しく上下する血糖値と摂取カロリー量、それに加えて気分の激しい上下など、比較的軽症の「ツケ」ですみますが、長期的に見た「ツケ」は、糖尿病、糖尿病合併症、心臓血管疾患、関節炎、ガンなどなどと枚挙にいとまがないほど多くのやっかいな病気のリスクが増加するのです。

こういった理由から、筆者としては、今こそ栄養というものを真剣に再点検するための最後のチャンスとさえ考えています。飽食のなかでひそかに進行する栄養不良が実際に存在するからです。しかし、この再点検は一体どこから手を着ければ良いのでしょうか。

第一章 ビタミン剤は高価な小便か?

クレイトン博士の「英国流医食同源」 〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜(翻訳版)の内容を転載しています。

当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜』の内容を転載しております。

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