栄養素の「戦略的補強」が望ましい

極端な栄養不良は少なくとも先進国ではとてもまれなことと思われます。ところが、時折ではありますが、食事のバランスがあまり良くない老年者と精神障害者の場合には、壊血病その他の微量栄養素不足による疾患が今でも時おり報告されています。特に微量栄養素不足が原因で、現代人の多くは、抗酸化対策という点から見ると、とてもまだ充分とは言えません。政府の厚生行政政策についても、発生してしまった病気の治療に予算を回す前に、病気の発生を予防する目的のために予算を組まないのはなぜか、と声を大にして問わなければならない理由が山ほどあります。予防措置として行うべきことは、「栄養知識の啓蒙」、「食品表示の改善」、「農業政策の健康志向への転換」などなどと山積しています。とくに最後の農業政策としては政府の補助金を、畜酪業から果物と野菜生産農家へシフトすることにより、国民健康を計る方向へと「十分に考え抜かれた政策」が今こそ必要とされます。

このように、政策をうまく舵取りするだけで国民の健康は驚くほど改善するはずです。でも、政府が賢明な政策決定をするのを待つのは時間の浪費かも知れません。また、現在の政策の変更となると、反対する勢力、つまり既成事実の上にあぐらをかいている産業界、とくに製薬業界からの反対も大きなものと予想されます。

しかし、そのような政策の実現をただ手をこまねいて待つだけではあまりにも無策です。だれにでも、今すぐに実行できる自己防衛策がないわけではないからです。つまり、抗酸化食品による自己防御です。これは何人にも止める権利がありません。だれにでも出来る非常に単純かつ容易な自己防御法です。ただ食生活を少し変えて、栄養上のいくつかの原則を守るだけで、健康な長寿へのチャンスが生まれるのです。

最近まで食生活に対してなされてきたアドバイスはもっぱら抗酸化物質としてのビタミン類の摂取量を増やすことだけでした。しかし、抗酸化酵素の方も、やはり食品の選択によって決まるものです。酵素は、いずれも亜鉛、鉄、セレニウム、銅、マグネシウムなどのいずれかの原子によって出来ています。これらのすべては何らかの食品から得る以外にありません。これが実は問題なのです。これらの微量栄養素のどれかが不足しているというケースが意外と多いことが証拠として明らかになりつつあります。ある場合は、食習慣の貧しさにより、また別の場合では、特定のミネラルが不足する土壌に育つ作物にミネラルが欠けているというケースです。セレニウムを例にとれば、この後者のケースです。セレニウム不足は北ヨーロッパ全体、中国、アフリカの一部、その他の地域で見られます。

土壌が疲労した地域に住んでいる場合、そういう土壌の地域から輸入した食品を食べている場合、加工食品に頼らなければならない場合、などでは、抗酸化物質の摂取量はおそらく最適とは思われません。このような場合には、必要な微量栄養素としての抗酸化物質を栄養補助食品として摂取することが強く望まれます。

最近の臨床テスト例、体内の抗酸化物質の働きに関する知見、20世紀後半の栄養についての不完全な状態の実例などに照らしても、抗酸化食品摂取の最適量プログラムというものを考えると、その内容はビタミンC、ビタミンD、ビタミンEとビタミンB群、さらにビタミンQ(コエンザイムQ10)、ベータカロチン、カロテノイド群およびフラボノイドなどを含むものとなるでしょう。ビタミンQ(コエンザイムQ10)だけは例外ですが、これら微量栄養素はほとんどが植物性食品由来のものです。果物、野菜、ナッツ類、穀物などの摂取を強くお勧めするのはこれが理由です。

第三章 悪玉酸素の正体は(その一)?

クレイトン博士の「英国流医食同源」 〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜(翻訳版)の内容を転載しています。

当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜』の内容を転載しております。

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