活性酸素についてのQ&A

ここまで活性酸素の害について、2つの代表的な例を述べてきました。問題は、「活性酸素防御機構」をどうすればうまく作れるのか? これこそ読者が一番知りたい事でしょう。以下、Q&Aのかたちで説明を続けます。

Q1.活性酸素あるいはフリーラジカルとは何ですか?

A1.冷蔵庫からミルクを取り出し、どこか暖かい所に放置したとします。夕刻までに酸っぱくなります。リンゴを半分に切って、しばらく置くと茶色に変色します。車の傷を修理しないで放置すると、露出した金属面に錆が発生します。これらは全て同じ化学的現象です。どれもが活性酸素の仕業です。酸素が接触するもの全てに分子レベルの反応を引き起こすわけで、本質的には「錆」と同じです。

Q2.それでは、人間はなぜさびないのですか?

A2.人間も実はさびるのです。人間の場合の「さび」は老化あるいは病気という形を取るだけです。リュウマチ性関節炎の場合の「炎症」を起こすのは活性酸素なのです。血液中のコレステロールを酸化させるのも、目の白内障、体細胞内のDNAの損傷(それによって細胞自身が死ぬかガン化する)するのも、すべて活性酸素のなせる業で、いずれも化学的には「さび」と同じです。

Q3.あらゆる「悪」のみなもとは活性酸素なのですか?

A3.すべてについて「イエス」ではありません。しかし、非伝染性の疾患の殆どに深く関与しています。炎症にも関与しています。歯肉炎、関節炎、脾臓炎、潰瘍性大腸炎等の疾患で重要な役割を演じます。

Q4.活性酸素はどこで発生するのですか?

A4.太陽光線を含む放射線、タバコの煙を含む環境汚染源、などによって発生します。また、人体の中でも、生きている限り代謝の副産物としての発生は避けられません。

Q5.人間の体はなぜ活性酸素を発生するのでしょう?

A5.呼吸した酸素が、使用されて二酸化炭素になる時に活性酸素が発生します。だから、避けるわけにはいきません。酸素なしでは生きられないからです。でも、活性酸素にも使い道はあるのです。体内にバクテリアが侵入した時、体の免疫細胞が活性酸素を放出してバクテリアを殺します。その意味では活性酸素も体内の防御システムの一部をなしているのです。

Q6.もし人体が常に活性酸素に曝されているなら、どうして体はミルクのように酸っぱくなるか、あるいは金属のように、何日かでさびるかしないのですか?

A6.抗酸化物質があるからです。これには基本的には3種類あります。体内で作る酵素としてのもの、食事として摂取するビタミンの形をした抗酸化物質、そして、体内で作るか、あるいは食事として摂取するか、どちらかの抗酸化物質グループ(例えばグルタチオン)の3種類です。酵素としてのものは、セレニウム、亜鉛、マンガン、銅などの原子を含む抗酸化物質で、だからこのようなミネラル類は少量ながら健康にとって不可欠なのです。ビタミン類には、良く知られているビタミンA、ビタミンC、ビタミンEだけでなく、ベータカロチン、ビタミンB群などがあり、それに加えて、コエンザイムQ10フラボノイドカロテノイドなどもあります。第3グループは幅が広く、分子量の大きなリポ蛋白や、分子量の小さなヒストン、ペプチドや尿酸などが含まれます。

Q7.そうすると、人体の防御システムは完璧なのですか?

A7.理論的にはその通りです。しかし現実は、残念ながら、前に述べた抗酸化物質をすべて含んだ完全な食生活を実行するのは、けっして簡単ではありません。それに加えて、これらの抗酸化物質は過不足なく全部そろって初めて有効になるのです。現実には、必ず過不足が生じるため、人間は本来備わった天寿を全うする前に死ぬ人が多いわけです。老化によって死ぬのではないと前に述べたのはそういう意味なのです。

Q8.抗酸化物質を含んだ補助食品を摂れば長生きできるのでしょうか?

A8.心臓疾患、ガン、白内障などのリスクが減少したケースは数多く見られます。関節炎についても好結果を示しています。動物実験では、ビタミンコエンザイムQ10の大量投与で50%も長生きしたケースもあります。人間でのデータは充分とは言えません。しかし、筆者としては、人間の場合でも、いろいろの異なった抗酸化物質をうまく「組み合わせ」さえすれば同様の結果、つまり長生きが可能だと信じています。抗酸化物質と、果物と野菜に含まれる植物由来の化合物であるフィトケミカルの控えめな摂取でさえ充分に効果ありと考えます。菜食主義者が肉食者と比べて、平均2年から3年長命であるという理由はここにあります。食品の正しい組み合わせさえすれば、そして適量を食べる限り必ず長命化につながると筆者は信じています。

Q9.長命化と言っても、どのくらいの年数ですか?

A9.動物実験の結果からの推定では120才までと考えて良い根拠があります。ハツカネズミと比べて、人間の場合の抗酸化物質による生体防御システムは良くできていると考えられます。従って、抗酸化食品の摂取だけで更に長命化を計る余地があるかどうかは必ずしも明らかではありません。例えばコエンザイムQ10には、抗酸化物質としての能力に加えて、もっと他の性格があり、長命化に貢献するところがあると考えます。全体として、およそ20年程度の健康な長命化は可能と信じます。かなり多くの栄養学者や研究者からは、筆者の考えは保守的過ぎるという批判があるとは思いますが。

Q10.抗酸化物質として、何をどれだけ摂れば良いと思いますか?

A10.絶対確実には答えられません。出来るのは入手できる情報に基づいた推定だけです。先ずは観察された事実から出発するのが妥当と思います。多くの研究結果から言えることは、たとえばビタミンEのような抗酸化物質の摂取が多ければ多いほど心臓発作の可能性が少なくなるのは事実です。このような統計の処理の場合、専門家は、対象をグループに分けて、リスクの最も低いグループから最も高いグループまで5つの段階に分ける手法をよく用います。そして、五つのグループの中で血中のビタミンEのレベルに注意すべきだとしています。こうして見ると、私たちのほとんどはビタミンEについてはまだまだ摂取が不十分で、最高レベルに達するためには、まだビタミンEの摂取を増やす必要があることが分かります。さもないと、心臓疾患に罹るリスクを最低レベルまで減らすことが出来ないというわけです。

Q11.通常の食事から摂取する栄養素だけでは抗酸化物質がまだ不足しているというわけですか? それに、政府が決めている標準摂取量RDAはどうなっているのでしょう? 適量ではないのでしょうか? 少なくとも、私の場合は、標準摂取量を守っているのですが?

A11.筆者としての答えは「ノー」と言わざるを得ません。先ず、かりに経済的に裕福で食べる物に不自由しない人がここにいるとします、しかし、抗酸化物質に関する限りは充分に摂取しているとはとても考えられません。その証拠は、前の質問で触れた健康状態が最高で、病気に対する防御もベストと思われる人々のビタミン類、特にビタミンE、ビタミンCとベータカロチンの摂取量は、政府の定める標準摂取量をはるかに超えています。標準摂取量の考え方は古いと言わざるを得ません。この点については第2章を参照して下さい。 

第八章 活性酸素についてのQ&A

クレイトン博士の「英国流医食同源」 〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜(翻訳版)の内容を転載しています。

当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜』の内容を転載しております。

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