前述のイクバル博士の研究に対してすべての科学者が同意しているわけではないことは申し上げておくべきと考えます。同博士の発見とは反対に、アルツハイマー神経原繊維変化に見られるタウ・タンパク質のほとんどは過リン酸化されていないとする人もいます。また、過リン酸化したタウは繊維の形成を促進するのではなく、むしろそれを阻害するとする人もいます。他の研究所では、まったく異なったアプローチ、つまり神経原繊維変化を追いかけるのではなく、アルツハイマーのもう一つの障害、すなわち老人斑にもっぱら研究対象を絞り込んでいるところもあります。

老人斑の主要な成分がベータ・アミロイドと呼ばれるペプチドであることはすでに述べました。そして、このアミロイドもアルツハイマーの原因として関係していると考えるに足る十分な理由があります。例えば、ダウン症候群ではアミロイドが過剰になりますが、アルツハイマーの場合も、発病の初期にはアミロイドが非常に高くなります。より最近の研究では、ベータ・アミロイドが脳細胞にとって有毒であり、興味深いのは、アミロイドが脳細胞を殺すのですが、その殺し方で、活性酸素が神経細胞膜の多価不飽和脂肪酸を酸化し、文字どおりまるで引き千切るように殺すのです。

驚くには当たりませんが、ベータ・アミロイドの神経毒性は例えばビタミンEのような抗酸化物質によって阻害されます。したがって、かりにベータ・アミロイドがアルツハイマーの真犯人だとすれば、脂溶性の抗酸化物質(ビタミンE)や、より強力なタイム・オイル(ハーブのタイムから抽出)やカテキンガラーテ(お茶に多く含まれる)などの仲間がアルツハイマー病の進行を抑える可能性はあるかも知れません。筆者としてはこの分野について特に詳細なデータを持っているわけではありませんが、理論的にはタイム・オイルの予防効果と症状の緩和能力は非常に強いものがあります。また、間接的ではありますが、インドメタシンの抗炎症効果はアルツハイマーの予防に補助的な役割を果たすと思われます。

しかしながら、アルツハイマーの発症にはおおくのリスク・ファクターがあるため、道は一つだけではないのだということを思い出すと、ことは複雑になります。この病気の場合は、必ずアルツハイマー神経原繊維変化が見られます。

一方、パーキンソン症候群などの他の変性脳疾患の場合にはこの螺旋状繊維はなく、ベータ・アミロイドが登場します。これが示唆するのは、ベータ・アミロイドの神経毒性の効果はいくつかのアルツハイマーを含む脳性疾患に関係する上、いくつかのアルツハイマーの場合だけでは主要な発症要因かもしれません。しかし、だからと言ってもあらゆるアルツハイマーの主要原因とは言えません。

しかしながら、上記に述べた抗酸化物質の摂取はやはり極めて重要です。ベータ・アミロイドはアルツハイマー病の原因となる破壊的な活性酸素の唯一の発生源とは言えません。本書執筆の時点でもっとも新しい報告では、アルツハイマーの脳組織から発見された老人斑とアルツハイマー神経原繊維変化アルミニウム・シリケートの形をしたアルミニウムは新しい形の活性酸素の発生源と報告されています。

第十一章 アルツハイマー病に対する栄養的アプローチ

クレイトン博士の「英国流医食同源」 〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜(翻訳版)の内容を転載しています。

当コンテンツは、現代人の食生活に関する問題や身体を守る抗酸化物質に関する豊富な研究結果を元に、多くの消費者の誤解の本質を解き、健康な食生活の実践を啓蒙している、論文『クレイトン博士の「英国流医食同源」〜発ガン性物質があふれる現代を賢く生きる〜』の内容を転載しております。

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